「日本茶を上手に入れるにはどうすればいいですか?」と、
職業がらなのか、たびたび質問されることがあります。
日本茶といっても、僕からするとかなり質問の幅が広すぎて丁寧に答えようとすれば軽く小1時間は話してしまう。
仕事中の時はなおさらマンツーマンで答えている余裕などどこにもない場合が多い。
そこで僕がよく使う答えは、
「茶葉を少し多いかな?と思うくらい使用して、後は1煎め・2煎め・・・と少しずつお湯の温度を上げていくことでしょうか。」
とかなりアバウトかつ無責任な返事をしている気がします。
日本茶・・・
特に高級な煎茶や紅茶・釜入り茶は、茶葉を抽出する時のお湯の温度によって香味に大きく影響が出てきます。
毎日のように手慣れた手つきで自分の納得できる香味を抽出できる方ならお湯の温度はある程度、感で上手くいきますが、なかなか的確な温度でお茶を入れることは難しいものです。
そこで、まず私がお茶の道具を何も持っていない方に、おいしいお茶が入れたいと言われたら、ちゃんとした急須と温度計をお勧めします。
他にもあったらいいものとして、さまし・茶杯・茶托・保温ポット・タイマーなどいろいろありますが、これらは家にある他のものでも代用できるので金銭的に余裕がなければ必要ありません。
今日はお茶がおいしく入った。昨日はかなり渋かった。など日によってお茶の香味にばらつきが出るのは、おそらく一番の原因はお湯の温度か抽出時間です。
外気温の変化でいつもと同じように入れていても、お湯の温度は5~10℃くらいの差が出ます。
抽出時間を同じようにしていても温度が5~10℃違うと香味にかなりの差がでます。それが、抽出したお茶の味が安定しない理由かと思います。
温度計まで使ってわざわざお茶を入れるのは、見た目にかなりかっこ悪いかもしれませんが、1度・2度使ってかなりおいしく入れられるようになると、必需品になってきます。
まぁ、お茶を入れるのに温度計なんて実験じゃあるまいし・・・・
と思う方も大勢いるのは知っています。
お茶ってそんなもんじゃないだろう?
もっと気楽にすればいいんじゃない?
そんなことよりも、丁寧に気持ちを入れるのが重要だろう?
分かったようなことをいう人は、たくさんいますが言わせておけばいいでしょう。
目的が【おいしいお茶が入れたい】であれば、かっこなんか気にせず、1か月ほど温度計+抽出時間を測りながら、さらに欲を言えば茶葉の量・お湯の量なんかも試してから、いる・いらないの結論を出してみてはどうでしょうか?
抽出に関する温度と時間の関係は一般的には、1煎めは茶葉は開けかけた時が抽出のタイミングとか言ったりしますが、そんなのはあくまでも模範解答のようなもの。
いろいろな茶葉があるのと同じように、人それぞれ味覚や嗅覚は個人差があって違うのですから、あなたにとって本当においしいと思う入れ方を見つけるのに、温度計はきっと役に立ってくれるアイテムだと思います。
とりあえず、だれも共感する方がいなくても、僕は使い続けていきます。