僕は、日本茶も中国茶も煎のきくお茶、つまり何煎も入れることのできるお茶が好きです。


それは、良い原料茶葉だったり、しっかりとした製茶技術だったり、丁寧な仕上げ加工だったりと、煎持ちの良い茶葉というのは、茶葉本来の持つポテンシャルの高さがあってこそだと思っている。


ポテンシャルの高い茶葉は、抽出の方法次第では7~10煎は飲める。

中国茶は、比較的お湯の温度を一定にしながら7煎くらいまでなら簡単に抽出できるけど、日本茶でお湯の温度を一定に何煎も飲めるお茶というのはなかなか出会う機会が少ない。


そんな日本茶の中でもほぼ一定の温度で10煎は飲めるお茶がある。


茶葉:岩座(釜炒り製緑茶) 5g  

 

水 :大峰山系の湧水

 

茶器:紫泥急須(万古焼) MAX160㏄ 

 

湯:77~80℃(保温ポット) 

 

 [1煎め] 

      ・温めた急須に茶葉を入れ、77~78℃のお湯で抽出時間は湯を注ぎ終わってから1分。

      ・湯量は各煎70㏄ 

 [2煎め以降]

       ・80℃弱に保温したお湯で抽出時間は下記の通り

         2~3煎は1分、4~5煎は1分半、6~8煎は2分、9~10煎は3分、11煎以降はお好みで。

        (理想は6煎め以降は、湯の温度を82~85℃くらいに上げるとベスト)


 ポイント

       ・抽出準備:あらかじめ保温ポットに80℃弱のお湯を用意しておくと温度計が不要で楽。

       (下の写真では1~5煎ままでは77℃、6煎め以降を82℃で抽出したかったので、

        ポット内は90℃以上のお湯にし、温度計で計った)

      ・岩座の場合、上記の抽出方法では85℃を超えると急に苦渋味がきつくなるのでNG。

      ・70ccのおおよその目安としては、急須内の茶葉が開いたら、ひたひたになるくらいが

       目安。

   

 
茶・抽出 LABO  

保温ポットは、ある一定温度をキープしておきたい場合はとても便利な道具です。

 

中国の烏龍茶を入れるときは、初めに保温ポットに熱湯を入れ内部を温めてから、内部のお湯を一度空け、再び熱湯を入れると、1時間位は93~95℃で保温できます。


岩座や国産の烏龍茶のようにあまり熱過ぎる湯が苦手な茶葉は、あらかじめ保温ポット内に77~85℃位のの湯を保温ポットに入れれば最低でも2時間は使用できます。


卓上に常に電気ポットなどを置いて抽出するよりも、保温ポットは、使い勝手のいい経済的で非常に優秀なアイテムといえよう。